中学校数学

比例の式とグラフ・比例定数・変域の解説

比例のグラフや表などは小学校のときに少しだけ習いましたが、中学校数学ではもう少し深く学びます。主に「関数とはなにか」という最も簡単な例として最初に比例を教わります。

比例は「関数」の一種ですが、一番最初に習う関数なのでいろんな用語や概念を理解する必要があるのです。

今後数学ではいろんな関数を取り扱うので、まずは関数としての比例についてしっかり抑えましょう。

比例の性質とグラフ(小学校算数の復習)

まず比例について小学校で習ったことをおさらいしてみましょう。

比例とは\(2\)つの数量が以下の性質を持つときに、その関係性を表す言葉です。

比例の性質

  1. 一方が\(0\)ならもう一方の値も\(0\)になる
  2. 一方が\(2\)倍、\(3\)倍、\(4\)倍・・・になると、もう一方も\(2\)倍、\(3\)倍、\(4\)倍・・・となる

具体的例としては以下の通り。

身近な比例関係の例

  • 針金の「長さ」と「重さ」の関係
  • 針金の「長さ」と「値段」の関係
  • 肉の「重量」と「値段」の関係
  • 卵の「個数」と「値段」の関係
  • 円の「直径」と「円周」の関係
  • 正方形の「一辺の長さ」と「すべての辺の和」の関係
  • 縦の長さを固定した長方形の「横」と「面積」の関係
  • 一定の速さで歩いた時の「時間」と「距離」の関係

たとえば、針金の長さと重さの関係について見てみましょう。

針金が\(1m\)あたり\(5g\)だとすると、針金の長さと重さの関係は以下の表のように表せます。

針金の長さが\(0m\)なら当然\(0g\)ですし、針金の長さが\(2\)倍、\(3\)倍・・・となると重さも\(2\)倍、\(3\)倍・・・となっています。

上で挙げた比例の性質を満たしているのが分かりますね。

針金の長さを\(x(m)\)、重さを\(y(g)\)とすると、これらの関係は「\(y=5×x\)」と表すことができます。

そして針金の長さと重さの関係をグラフに表すと以下通り。

グラフの\((0,0)\)の点を原点と言いますが、比例のグラフは前述した比例の\(2\)つの性質に対応した\(2\)つの特徴を持ちます。

比例のグラフの特徴

  1. 原点を通る
  2. 直線

以上が小学校算数で習った比例の内容です。詳しくはこちらにまとめています。

比例の表やグラフの性質・問題の解き方|小学生に教えるための解説「比例」は小学校6年生の算数で習いますが、中学になるとさらに深くまで掘り下げる単元ですし、理科のあらゆる単元でも使われる概念です。 小...

中学校数学ではさらにこれらの内容を深掘りしていきます。

比例は関数の一種

中学校数学で習う“比例”は、主に『関数』としての比例について学び、さらに『負の範囲』についても考えます。これら2点が小学校算数で習った比例との違いです。

関数とは

ある量とそれにともなって変わる他の量があり、それぞれを変数 \(x\),\(y\) で表すとき、\(x\)の値を決めるとそれにつれて \(y\) の値も決まるならば、「\(y\) は \(x\) の関数である」という。

例)

  • 正方形の一辺の長さが決まれば面積が決まる。「面積:\(y\)、一辺の長さ:\(x\)」
  • 100gあたりの値段が定められている鶏肉は、重さが決まれば値段が決まる。「値段:\(y\)、重さ:\(x\)」
  • 一定の距離を走るとき、走る速さが決まれば走り終える時間が決まる。「時間:\(y\)、速さ\(x\)」

関数は「一次関数」「二次関数」「三角関数」「対数関数」など様々な種類があるのですが、その中の一つが“比例”です。

小学校では比例の式を『\(y=\)決まった値\(×x\)』と習いますが、中学校からは\(y=ax\)という形で書き、このときの\(a\)を比例定数と言います。実際には\(a\)には具体的な数字が入ります。

\(y\)と\(x\)はいろんな値を取りますが、\(x\)が定まれば\(y\)が自然と定まるのが分かるかと思います。

比例のグラフ

小学校で扱うグラフは正の範囲のみでしたが、中学校数学からは負の範囲まで拡張します。

ただし比例の2つの性質は変わりません。

比例のグラフの特徴

  1. 原点を通る
  2. 直線

下の図は \(y=2x\) と \(y=-2x\) のグラフを表しています。

比例定数が負になると\(x\)が増えるごとに\(y\)は減っていくので右肩下がりのグラフになるのです。

また、\(x\)や\(y\)などの変数の取りうる範囲を“変域”といいます。

たとえば \(y=2x\) において\(x\)の変域が \(-1≦x≦2\) なら \(y\)は最小で\(-2\) 最大で\(4\)と定まるので、yの変域は \(-2≦y≦4\) となります。

比例に関する問題の解き方

では実際に比例に関して出題される問題を見ていきましょう。

例題1

 \(y\)は\(x\)に比例し、\(x=9\) のとき \(y=-63\) である。\(y\)を\(x\)の式で表せ。

比例の式は\(y=ax\)なので、比例定数\(a\)がわかれば式で表すことができます。

\(y=ax\)に問題文の\(x\)と\(y\)の値をそれぞれ代入します。

\(-63=a×9\)

これを解くと \(a=-7\) が求まります。

よって \(y=-7x\) が答えです。

例題2

水槽に一定量の水を入れ続けると14分で42Lの水を貯まった。\(x\)分間水を入れたときに水槽に貯められた水の量を\(y\)Lとして\(y\)を\(x\)の式で表せ。

水を入れる時間と貯まる水の量は比例するため、なので\(y=ax\)という形で表されます。

式に\(x=14\)、\(y=42\)を代入してaを求めましょう。

\(42=a×14\)

\(a=3\)

よって \(y=3x\) が答えです。

例題3

次の式のうち\(y\)が\(x\)に比例するものをすべて選べ。
\(y=x+9\) ,\(3y=5x\),\(-8x-4y=0\),\(\dfrac{x}{2}=\dfrac{y}{3}\),\(\dfrac{y}{2}-\dfrac{5}{x}=0\)

\(y=ax\)の形に変形できる式が答えです。

■\(y=x+9\)・・・比例の式は\(x=0\)のとき\(y=0\)になるため、このように定数項を含む式は比例ではありません。

■\(3y=5x\)・・・\(y=\dfrac{5}{3}x\) となるので、\(y\)は\(x\)に比例します。

■\(-8x-4y=0\)・・・\(y=-2x\) となるので、\(y\)は\(x\)に比例します。

■\(\dfrac{x}{2}=\dfrac{y}{3}\)・・・\(y=\dfrac{3}{2}x\)となるので、\(y\)は\(x\)に比例します。

■\(\dfrac{y}{2}-\dfrac{5}{x}=0\)・・・\(y=\dfrac{10}{x}\)となり、\(y=ax\)の形にはならないので\(y\)は\(x\)に比例しません。

 

答えは \(3y=5x\) ,\(-8x-5y=0\),\(\dfrac{x}{2}=\dfrac{y}{3}\)

例題4

 \(y=-8x\) において、\(x\)の変域が \(-6≦x≦2\)のときy>の変域を求めよ。

\(x=-6\)のとき\(y=-8×(-6)=48\) となりこれが\(y\)の最大値。

\(x=2\)のとき\(y=-8×2=-16\) となりこれが\(y\)の最小値。

よって\(y\)の変域は \(-16≦y≦48\) となる。

 

ちなみに比例について、自由に印刷できる練習問題を用意しました。数値はランダムで変わり無数に問題を作ることができるので、ぜひご活用ください。

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