中学1年生で習う空間図形には、様々な立体の体積や表面積の求め方が含まれます。主に柱体(角柱・円柱)、錐体(角錐・円錐)、球の3種類の立体です。
今回は錐体の体積・表面積について解説していきます。
錐体の公式は一部、丸暗記しないといけないところもありますが、問題を解いていけば自然と身についていくものなので、ぜひこの記事を参考にしながら問題に慣れていきましょう。
角錐・円錐の体積
はじめに角錐・円錐の体積について解説していきます。
体積はどちらも『体積=底面積×高さ×\(\dfrac{1}{3}\)』となります。このときの“高さ”とは、頂点から底面に下ろした垂線の長さです。
角柱や円柱の場合体積は「底面積×高さ」でしたが、錐体の場合これに\(\dfrac{1}{3}\)をかけます。
なぜ\(\dfrac{1}{3}\)をかけるのかは、きちんと説明するには高校生で習う“積分”という分野の知識が必要になるので、今回は省略します。
これは丸暗記するしかないですが、問題を解いているうちに自然と身についていくでしょう。
角錐・円錐の表面積
つづいて角錐と円錐の表面積についてです。
表面積については『底面積』と『側面積』を足せばよいだけなので、考え方自体はそう難しくありません。
ではそれぞれの展開図を見て、求める面積について詳しく調べてみましょう。
角錐の場合、側面積や底面積は単純な形になり、問題ではそれぞれの縦・横、底辺・高さなどの数値が与えられるので、地道に計算していけば解けます。
しかし円錐の場合、側面は扇形となりますが中心角は問題文で与えられないので少し複雑です。
なので円錐の側面積についてもう少し解説していきます。
円錐の側面積の求め方
側面積は扇形なので、扇形の面積の公式を書き出しましょう。
扇形の面積を求めるには中心角が必要ですが大抵の場合、これが不明です。なので他の数値から中心角を導きましょう。
扇形の中心角は、完全な円に対してどれくらいの割合の大きさなのかを示した値です。中心角に比例して扇形の面積や弧の長さは大きくなります。
「完全な円の円周」に対する「扇形の弧の長さ」の割合は、「360°」に対する「扇形の中心角」の割合に相当します。円周の半分の長さの弧なら中心角180°の扇形、\(\dfrac{1}{4}\)なら中心角90°の扇形になるはずです。
さらに「扇形の弧の長さ」が「底面の円周」と等しいことに着目すると、以下のようになります。
これを側面積の式に代入すると、『側面積=母線×底面の半径×\(\pi\)』という公式が導けます。
ただあまり語呂が良くないので、視覚的に「こことここをかけたら側面積になる」という風に覚えるほうが良いでしょう。
また、扇形の面積には一応『\(S=\dfrac{1}{2}lr\)』という公式があり、これを利用したらより簡単に側面積の公式が導けます。
円錐に当てはめると『側面積=\(\dfrac{1}{2}\)×弧の長さ×母線』です。
『弧の長さ=2×底面の半径×\(\pi\)』なので、これを代入すると、『側面積=\(\dfrac{1}{2}\)×2×底面の半径×\(\pi\)×母線=母線×底面の半径×\(\pi\)』となります。
ちなみに『\(S=\dfrac{1}{2}lr\)』についてはこちらをご覧ください。
問題を解いているうちに自然とこの公式は身につくと思いますが、一応どちらかの公式から導けるようにしておくと良いでしょう。
練習問題
では実際に問題を出すので、公式を使ってみましょう。
次の図形の体積と表面積を求めよ。
(1)底面が1辺6cmの正方形、側面はすべて合同で底辺が6cm、高さが5cmの三角形の四角錐。また四角錐の高さは4cmとする。
(2)底面が半径5cm、母線が13cm、高さが12cmの円錐。
(1)『体積=底面積×高さ×\(\dfrac{1}{3}\)』なので、\(6×6×4×\dfrac{1}{3}=48cm^{3}\)
側面積は底辺6cm、高さ5cmの三角形が4つの面積をあわせたものなので、\(6×5÷2×4=60cm^{2}\)
『表面積=底面積+側面積』より\(36+60=96cm^{2}\)
体積は\(48cm^{3}\)、表面積は\(96cm^{2}\)
(2)『体積=底面積×高さ×\(\dfrac{1}{3}\)』なので、\(\pi×5^{2}×12×\dfrac{1}{3}=100{\pi}cm^{3}\)
『側面積=母線×底面の半径\(×\pi\)』より、\(13×5×\pi=65{\pi}cm^{2}\)
『表面積=底面積+側面積』より\(25\pi+65\pi=90{\pi}cm^{2}\)
体積は\(100{\pi}cm^{3}\)、表面積は\(90{\pi}cm^{2}\)
ちなみに角柱・円柱の体積や表面積について、自由に印刷できる練習問題を用意しました。数値はランダムで変わり無数に問題を作ることができるので、ぜひご活用ください。
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本当に参考になりました!ありがとうございます。
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