中学校1年生の数学ではコンパスや定規を使っていろんな図形を書いていきますが、今回は基本的な作図のひとつ「直線に対する垂線」の書き方について見ていきましょう。
ただ垂線の作図には主に2通りのパターンがあります。
- 「直線上にない点」を通る垂線
- 「直線上にある点」を通る垂線
今回はこれらの作図方法をアニメーションでわかりやすく紹介し、さらに「なぜ垂線になるのか」ということまで詳しく解説していきます。
垂線の作図手順
1.直線上にない点を通る垂線の作図手順

まずは直線Lから離れた点Aを通る垂線の作図手順のアニメーションを作ったので、まずはご覧ください。
アニメーションを見るだけでも理解できると思いますが、詳しい作図の手順は次の通り。
- コンパスの針を点Aに合わせ、直線Lと2点で交わるような弧を描く
- 交わった点それぞれを中心とした同じ半径の弧を描く
- 弧どうしが交わった点と点Aを結んだ線が直線Lの垂線となる
なぜこのように描いた線が直線Lの垂線になるのかということはまた後ほど解説します。
2.直線上の点を通る垂線の作図手順

つづいては直線状の点Aを通る垂線の描き方です。こちらも下のアニメーションをごらんください。
詳しい作図の手順は次の通り。
- コンパスの針を点Aに合わせ、直線Lと2点で交わるような弧を描く
- 交わった点それぞれを中心としてさらに大きな半径の弧を描く
- 弧どうしが交わった点と点Aを結んだ線が直線Lの垂線となる
手順としてはほとんど変わりませんね。
では、なぜこれらが垂線になるのかを解説していきます。
垂線になる理由を解説
これをきちんと証明するには中学校2年生で習う「三角形の合同条件」の知識が必要ですが、習っていなくても説明すれば一応は理解してもらえると思います。
簡単にまとめると、以下の条件に合う三角形は“合同”なので、対応する角の角度や長さが等しくなるということです。
- 3組の辺がそれぞれ等しい
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
- 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい

1.直線上にない点を通る垂線

まず点Aを中心に直線L上に2点で交わる弧を引きますが、この交わる点というのは「点Aからの長さが等しい点」です。

つづいてそれぞれの交点から弧を描いたら新しい交点ができます。これはそれぞれの交点からの長さが等しい点です。

それぞれの点を結んで下の図のように①(三角形ABC)と②(三角形ADC)を考えます。

これらは“三辺がそれぞれ等しい”三角形なので合同です。合同の三角形は対応する角度が等しいので「∠BAC=∠DAC」となります。
次にさらに直線Lを使って分割した三角形、以下の①(三角形ABE)と②(三角形ADE)について考えます。

さきほど「∠BAC=∠DAC」というのがわかりましたが、この角を挟む2つの辺が等しいので、①と②は合同です。
つまり、対応する角が等しいので「∠AEB=∠AED」となります。これらの和が180°なのでそれぞれ90°です。

手順で説明した垂線は線分ACにあたりますが、これがきちんと直線Lの垂線になっていることがわかったかと思います。
つづいて直線上にある点を通る垂線について見ていきますが、考え方はほぼ同じです。
2.直線上にある点を通る垂線

まず点Aを中心に直線L上に2点で交わる弧を引きますが、この交わる点というのは「点Aからの長さが等しい点」です。

つづいてそれぞれの交点から弧を描いたら新しい交点ができます。これはそれぞれの交点からの長さが等しい点です。

それぞれの点を結んで下のように①(三角形ABC)と②(三角形ADC)について考えると、それぞれの辺の長さが等しいので合同であることがわかります。

対応する角が等しいので「∠BAC=∠DAC」となります。これらの和が180°なのでそれぞれ90°です。

以上、直線に対する垂線の作図手順と解説でした。
よくわかりました。👌ありがとうございます!!😁
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