小学校までは掛け算や割り算で扱う数字は0以上のみでしたが、中学校数学から負の数を扱うようになり、計算の幅も広がります。
負の数が混じっても答えの符号が変わるだけなので、計算自体が難しくなるわけではありません。
しかし「正負の組み合わせでなぜ答えの符号が変わるのか」、これをきちんと説明するのは少し骨が折れます。負の数の掛け算に関して中学生でも分かりやすい具体的な例は限られますからね。
そこで今回、負の数の掛け算や割り算がきちんと理解できるように、わかりやすい具体例をつかって解説していきます。
正負の数の掛け算・割り算の結果
正の数と負の数を使った掛け算の組み合わせは以下の4つです。
- 正の数×正の数=正の数(\(2×3=6\))
- 正の数×負の数=負の数(\(2×(-3)=-6\))
- 負の数×正の数=負の数(\((-2)×3=-6\))
- 負の数×負の数=正の数(\((-2)×(-3)=6\))
負の数が1つだけなら答えは負の数、負の数が0または2つあれば答えは正の数になります。
割り算は『◯×△=□⇒□÷△=◯』というように掛け算の結果を逆算して導けます。なので正負の数の割り算も以下の通り。
- 正の数÷正の数=正の数(\(6÷3=2\))
- 正の数÷負の数=負の数(\(6÷(-3)=-2\))
- 負の数÷正の数=負の数(\((-6)÷3=-2\))
- 負の数÷負の数=正の数(\((-6)×(-3)=2\))
なぜこのような結果になるのか具体例を使って見ていきましょう。
正負の数の掛け算・割り算の解説
数直線を考えれば以上の結果が説明しやすいです。
数直線上を一定の速さで人が移動するときの「速さ」と「時間」、「位置」を正負の数字を用いた掛け算で表すことができます。
具体的に見ていきましょう。
正の方向に毎秒1mで移動する人の2秒前の位置と2秒後の位置はこのようになります。
負の方向に毎秒1mで移動する人の2秒前の位置と2秒後の位置はこのようになります。
これらの結果が正負の掛け算の結果と対応しているのが分かるかと思います。
正負の方向というのがわかりにくい場合はもっと具体的に、正の方向というのを「目的地の方向」と言い換えてもいいでしょう。
目的地に向けて秒速1mで移動している場合、2秒前は目的地より2m離れた位置、2秒後は2m近い位置にいます。
目的地とは逆の方向に秒速1mで移動している場合、2秒前は目的地より2m近い位置、2秒後は2m離れた位置にいます。
このように考えると正負の掛け算の結果がイメージしやすくなります。
割り算はこれの逆です。
「目的地に◯m近い(離れた)位置に行きたい場合、秒速□mで移動したら何秒かかるか」というのを考えましょう。
正負の数字を入れたらそれぞれの結果が導けます。
練習問題
正負の数の掛け算・割り算を練習できるものを用意しました。下の「スタート」を押してそれぞれの問題の答えを入力していってください。
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ちなみに負の数の掛け算・割り算について、自由に印刷できる練習問題を用意しました。数値はランダムで変わり無数に問題を作ることができるので、ぜひご活用ください。