小学校算数

分数の約分のやり方と教え方のコツ|時間短縮に便利なテクニックを紹介

分数の約分は公倍数の単元と密接な繋がりがあります。そのため公倍数が理解できていないと約分も理解できません。逆に公倍数の単元が完璧に頭に入っているなら分数の約分もスムーズに習得できるはずです。

そして今回は分数の約分の基本的な方法に加えて、一歩進んだテクニックを紹介します。このテクニックを用いれば、\(\dfrac {51}{68}\)のように一見約分できないように見える分数もすぐに約分できることに気付けるでしょう。

約分に関して役立つことをたくさん解説していくので、ぜひお子さんに算数を教える際などに参考にしてください。

約分の意味

分数の問題は小学校だけでなく中学・高校・大学までずっと出題されつづけますが、常に付きまとう暗黙のルールが「分数は分母・分子が互いに素な数になるまで(公約数がなくなるまで)約分しないといけない」というものです。

分数には「分母と分子に同じ数をかけたり割ったりしても値は変わらない」という性質があり、これを利用してシンプルな形にすることを約分と言います。

約分とは

分母・分子の公約数でそれぞれを割って小さい数字で表すこと。

たとえば分数の問題で\(\dfrac {5}{10}\)という答えが出てきた時、分母・分子を5で割って\(\dfrac {1}{2}\)という風に約分しないと減点対象になります。

「\(10\)等分したうちの\(5\)つ分」というのと「\(2\)等分したうちの\(1\)つ分」というのでは同じ値になりますが、どちらがシンプルでわかりやすいかは言うまでもありません。

では約分の方法について解説していきます。

約分の基本的な方法

約分は分母と分子が同じ整数で割り切れるとき、つまり公約数があるときに行えます。約分をするということは、公約数を見つけることと同じ意味なのです。

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ここで重要なこととして、「公約数が複数ある場合は大きい数(合成数)で割るほど約分の回数が減り、さらに最大公約数だと1回の約分で済む」ということが挙げられます。

たとえば\(24\)と\(36\)を約分する場合を考えると、片や\(3\)回約分しないといけないのに対し、最大公約数\(12\)に気づけば\(1\)回の約分で済みます。

ちなみに、上の約分の仕方は公約数・最大公約数を見つける際に用いた連除法(すだれ算)と同じことをしているだけです。

数字を横に並べて公約数で割っていき、互いに素な数になるまで続け、最後に左の数字をすべてかければ最大公約数になります。下に並んだ数字はそれぞれ最大公約数で割った数なので、これが最後まで約分した形です。

詳しくは「公約数・最大公約数の簡単な見つけ方」で詳しく説明しています。

こうして見比べたらわかりやすいかと思います。

連除法の場合は公約数まで書き記しますが、約分の場合は公約数が何なのかというのは不要な情報です。最終的に公約数で割った時に残った数字、ここでは\(「2」\)と\(「3」\)が分かればいいだけなので、約分のために連除法を用いるのはかえって時間がかかるためオススメしません。

上に記したように分数に斜線を入れて公約数で割っていくという風に計算していくのが良いでしょう。この方がわかりやすいですし、時間の短縮にもなります。

あと、約分の際は無理に大きい数で割ろうとする必要はありません。

最大公約数に気付けたら\(1\)回の約分で済むので楽といえば楽なのですが、大きい数の割り算は計算ミスのリスクにもなりますし、「もっと大きい数で割れないか」と考えることでかえって時間がかかることもあります。

それに上のように斜線を入れて約分をしていくという方法だと、\(1\)回の約分でせいぜい数秒しかかからないので約分の回数が増えても大した痛手ではありません。

もちろん、直感的に大きい数の公約数に気付いたらその数で約分すべきではあります。

ということで約分のポイントをまとめると以下の通り。

  1. 分数に斜線を入れて約分していく
  2. 無理に大きい公約数で約分する必要はない

約分の便利なテクニック

分数の約分の際に知っておくと少し便利なテクニックを紹介します。

何かの問題で\(\dfrac {51}{68}\)という答えになったとき、これをこのまま書いたら減点対象になります。

何故かわかるでしょうか?

実は\(17\)で約分でき\(\dfrac {3}{4}\)になるのです。まっとうな方法でこれに気付くには、\(2,3,5,7,11,13,17\)と小さい素数から順番に公約数になっていないか検証していく必要があります。

\(17\)まで確かめる人はなかなかいないので、普通は気付きません。

ただし、あるテクニックを知っていると約分できるかどうかの検証スピードが劇的に向上します。今回の例では瞬時に\(2,3,5,7,11,13\)が公約数ではなく、\(17\)が公約数かもしれないと判断できるようになります。

そのテクニックとは以下の定理を用いたものです。

(\(2\)つの数字の公約数)は必ず(\(2\)つの数字の差の約数)になる

前述した例に当てはめると、\(68\)と\(51\)の公約数は必ず\(17(=68-51)\)の約数になるということです。\(17\)は素数で\(1\)と自身以外に約数を持たないため、他の\(2~16\)は公約数の候補から外れます。

ただしその逆、\(2\)つの数字の差が必ず\(2\)つの数字の公約数になるわけではありません。あくまで公約数の候補となるだけというのはしっかり抑えておきましょう。

ここでは\(17\)のみが候補として上がり、\(68\)と\(51\)を\(17\)で割ると、きちんと割り切れますが、同じように差が\(17\)でも\(69\)と\(52\)だと\(17\)は公約数ではありません。

では他の例を見てみましょう。

\(\dfrac {18}{24}=\dfrac {3}{4}\)⇒\((24-18=6)\)

\(\dfrac {50}{42}=\dfrac {25}{21}\)⇒\((50-42=8)\)

\(\dfrac {49}{56}=\dfrac {7}{8}\)⇒\((56-49=7)\)

\(\dfrac {161}{115}=\dfrac {7}{5}\)⇒\((161-115=46)\)

約分の際に割る数が分母・分子の差の約数になっているのが確認できますね。

実際には\(\dfrac {51}{68}\)というような意地悪な問題はあまり出てこないので、このテクニックはどちらかと言うと\(7\)や\(13\)、\(17\)などの気付きにくい公約数を候補から瞬時に外せることに意味があります。

あとこの手法は最大公約数も見つけやすいというメリットもあります。

ただし分母と分子の差が大きい時、あまりこのテクニックは有用ではありません。

\(\dfrac {21}{49}=\dfrac {25}{21}\)⇒\((49-21=28)\)

この例だと分母分子の差\(28\)は分子\(21\)よりも大きくなります。わざわざ\(28\)の約数を考えるよりも、はじめから\(21\)の約数を考えて\(49\)と公約数になっていないか検証するほうが速いです。

いつでも有用なテクニックというわけではないのです。

ただ、約分だけではく素数の判定などにも使えるテクニックですし知っておくと何かと便利なので、余裕があれば教えてあげましょう。

なぜこの定理が成り立つのか?

つづいて、上記の定理がなぜ成り立つのかを簡単に説明します。

分配法則を理解していたら、その逆の以下の式も理解できると思います。

\(a×c-b×c=(a-b)×c\)

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具体的に\(\dfrac {51}{68}\)の例で見ると以下の通り。

\(68-51=4×17-3×17=(4-3)×17=1×17\)

\(\dfrac {51}{85}\)の場合はこうなります。

\(85-51=5×17-3×17=(5-3)×17=2×17\)

 

はじめはこの定理についてよく分かっていなくても、このテクニックを使っていくうちに理解は深まっていくと思うので、ぜひお子さんに教えてあげましょう。

ちなみに約分の練習問題を用意しました。自由に印刷できるようにしてあるので、ぜひご活用ください。

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