小学校算数

小学生でも理解できる「分配法則」の教え方&活用できる問題例を紹介

小学校の算数で「分配法則」という計算規則を習います。

しかしこの分配法則は小学校算数では知らなくてもそこまで問題ありませんし、小学生の習熟状況ではきっちり教えるのは難しいと感じる人は多いでしょう。

頻繁に使うようになるのは中学数学からなので、小学校の段階ではあまり重要視しない先生も多いと思います。

しかし分配法則をきちんと理解しているかどうかで小学校算数のある分野の難易度が天と地ほど変わってきますし、工夫をすれば小学生に理解してもらうのもそう難しくはありません。

今回、分配法則を小学生に教える画期的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

分配法則とは?

分配法則とは、上のような計算の法則を指します。

イメージとしては「()の中の足し算に掛け算を分配するという」という感じです。

この分配法則は式としては複雑で覚えにくいですし、小学生くらいの子どもに分配法則が何に役立つのか教えるのも骨が折れます。

そこで分配法則のわかりやすい教え方を紹介します。

分配法則の教え方

イメージしにくい数式などは身近な具体例で説明するのが一番です。ここでは2つの例を使って見ていきましょう。

【説明1】硬貨を使った計算

\(23\)円のものを\(3\)個買ったらいくらになるか?

答えは\(23×3=69\)という計算で求められますが、このように2桁×1桁を暗算で計算する際、2桁の数字の十の位と一の位にそれぞれ後ろの数字をかけるという風に計算すると思います。

つまり

$$23×3=(20+3)×3=20×3+3×3=69$$

という風に無意識に分配法則を使っているのです。

下のように実際に硬貨を使った例を示すと理解しやすいと思います。

\(23×3=23+23+23\)と考えることもできますが、
$$23×3=(20+3)×3=20×3+3×3$$という風にも考えられます。

分配法則は式で見たらややこしいと感じますが、実際の例で見たら当たり前の法則なのです。

ただ漠然と数字だけで例を示すのではなく、具体的に硬貨を使ってイメージさせてあげるのが大事です。

【説明2】2桁×2桁の筆算

2桁×2桁の筆算ができるのなら、これも分配法則が使われているということを教えてあげましょう。

たとえば\(23×13\)の筆算は以下通り。

まず下の数字の一の位の数字と上の数字の掛け算をし、次に十の位の数字と上の数字の掛け算をして、最後にこの2つの数字を足す。

無意識に計算している人も多いですが、上記の筆算では以下のように分配法則が用いられているのです。

$$23×13=23×(10+3)=23×10+23×3=230+69=299$$

詳しくはこちら。

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分配法則は何に役立つのか?

分配法則が頻繁に使われるのは中学校数学からですが、小学校算数でも知っていたら活用できる機会はありますし、生活の中でも使うことができます。

特に分配法則の逆\(a×b+a×c=a×(b+c)\)というテクニックは頻出です。

代表的なのは以下の4つ。

分配法則の活用事例

  1. 2桁以上の掛け算の筆算
  2. 図形の面積の計算
  3. 円周率を含む計算
  4. 2桁×2桁の掛け算の暗算

①については前述した通りなので、残りの3つについて説明します。

②図形の面積の計算

たとえば以下のように、1辺の長さが等しい複数の長方形の面積を求める場合、もう一方の辺を最初に足すことで計算を少なくすることができます。

$$9×9+3×9+2×9=(9+3+2)×9=14×9$$

これくらい単純な問題なら分配法則を使うまでもないと考えるかもしれませんが、図形の面積の問題において分配法則が活用できることは意外と多いです。

③円周率を含む計算

小学校算数において分配法則が使えるかどうかが一番影響するのは、おそらく円周率を含む計算です。

複数の円を組み合わせた図形の面積を求める問題など、円周率\(3.14\)を複数回使う必要がある場合、分配法則を活用できるかどうかで計算の手間が大幅に変わってきます。

たとえば以下のように色がついている部分の面積を求める場合を考えてみましょう。

半径\(3\)cmの円の中に半径\(2\)cmの円があるので、これらの面積の差を計算する問題です。

普通に計算する場合は\(3×3×3.14-2×2×3.14\)という計算になります。正攻法だとそれぞれの円の面積を求めるために筆算で掛け算を\(2\)回し、さらにそれらの引き算を行うという面倒くさい計算を複数回しないといけません。

しかし分配法則を知っているだけで以下のように計算を簡略化することができます。

$$3×3×3.14-2×2×3.14=(3×3-2×2)×3.14=5×3.14$$

長方形の問題のように直感的に気付ける類のものではなく、式を分配法則に従って変形させないと簡略化することはできません。

このように分配法則をきちんと活用できるかどうかで、問題を解くスピードや計算の正確性に大きく影響するのです。

④2桁×2桁の掛け算の暗算(中3~)

2桁×2桁の掛け算の中には分配法則を使うだけでを楽に計算できるものがあります。

ただし$$\left( a+b\right) \times \left( a+c\right) =a^{2}+\left( b+c\right) \times a+b\times c$$の分配法則を理解する必要があるので小学生には少し厳しい内容かもしれません。

$$12×13=(10+2)×(10+3)=10×(10+2+3)+2×3=10×15+2×3$$

$$64×66=(60+4)×(60+6)=60×(60+6+4)+4×6=60×70+4×6$$

などのように、分配法則の応用で2桁×2桁の暗算を簡略化することができるのです。

ちなみに2桁×2桁の暗算テクニックは他にもこちらに9個まとめています。

2桁×2桁の掛け算が瞬時に解ける「暗算テクニック」を9個紹介日本の学校教育において2桁×2桁の掛け算は大抵の場合、紙に“筆算”を書いて求めるのが一般的です。暗算でこれを計算するのは慣れが必要ですし...

 

最後の暗算テクニックは小学生には難しいかもしれませんが、このように小学校算数でも分配法則を活用する機会は大いにありますし、具体例を用いて丁寧に説明すれば理解してもらえるでしょう。

子どもに分配法則を教える際にはぜひ参考にしてみてください。

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