複数の数値の和と差からそれぞれの数値を求める問題を「和差算」と言います。
シンプルな問題ですが、解き方を知らないとどのように計算すればいいのか悩んでしまう子も多いでしょう。和差算を解くための公式もありますが、変則的な問題には対応しにくいため、公式の丸暗記はあまりオススメしません。
しかしとあるポイントさえ抑えておけば大抵の和差算は難なく解けるようになりますし、間違いにくくなります。
今回は和差算の解き方やポイントについて詳しく図で解説していきます。
和差算とは
和差算とは、2つの数値の和や差からそれぞれの値を求める問題です。
具体的に問題を見てみましょう。
和差算の例題1
ある学校には生徒が740人いて男子生徒は女子生徒より18人少ない。その学校の男子生徒と女子生徒がそれぞれ何人いるか求めよ。
このように、2つの数値の和と差が与えられ、それぞれの値を求める問題です。数直線で表すと以下の通り。
この「◯人」と「□人」を求めます。
さらに2つだけなく、3つの数値の和と差が与えられてそれぞれを求めさせるような以下の問題もあります。
和差算の例題2
60個のりんごをA、B、Cの3人で分けた。AはBより3個多くBはCより6個多い場合、それぞれのりんごの個数を求めよ。
では今回このような和差算をどのように解けばいいのか解説していきます。
和差算の解き方
では上で紹介した例題を使って解き方を見ていきましょう。
例題1
和差算の例題1
ある学校には生徒が740人いて、男子生徒は女子生徒より18人少ない。その学校の男子生徒と女子生徒がそれぞれ何人いるか求めよ。
まずは与えられた数値がどのような値なのかを整理するために数直線を書きます。

740人は(男子の人数)+(女子の人数)ですが、740人から18人を引いたら(男子の人数)×2となり、740人から18人を足したら(女子の人数)×2となるのが数直線から分かると思います。
「数直線の長さを揃える」のがポイントです。

- (男子の人数)\(×2=722\)(人)
- (女子の人数)\(×2=758\)(人)
これらより、722と758をそれぞれ2で割るとそれぞれの人数になるのが分かると思います。
男子の人数は\(722÷2=361\)で361人、女子の人数は\(758÷2=379\)で379人です。
最後にそれぞれの和が740人、差が18人となっており問題文に合致しているのを確認しましょう。
この問題のように2つの数の和と差が与えられている時、以下の公式を用いてそれぞれの値を求めることができます。
- 小さい方の数=(和-差)÷2
- 大きい方の数=(和+差)÷2
この問題で言うと、「生徒全体の740人」が和で、「男子が女子よりも18人少ない」というのが差に当たります。
実際の計算も上の公式と同様のことを行っています。
ただ、わざわざこの公式は覚える必要はありません。きちんと数直線で確認すれば自然と導けるはずですし、変則的な問題にも対応できます。
例題2(3組の和差算)
和差算の例題2
60個のりんごをA、B、Cの3人で分けた。AはBより3個多くBはCより6個多い場合、それぞれのりんごの個数を求めよ。
まずは与えられた数値がどのような値なのかを整理するために数直線を書きます。

2量のときと同じように、数直線の長さを揃えるのがポイントです。
60個はA+B+Cの個数ですが、これらをA×3やB×3、C×3となるように調整しましょう。
B⇒Aにするには3個足して、C⇒Aとにするには3と6を足して・・・という風に考えていきます。
- B⇒A:+3
- C⇒A:+3+6
- A⇒B:-3
- C⇒B:+6
- A⇒C:-3-6
- B⇒C:-3

それぞれ数直線の長さを揃えたらこのようになります。
- (Aの個数)\(×3=60+3+3+6=72\)
- (Bの個数)\(×3=60-3+6=63\)
- (Cの個数)\(×3=60-3-6-6=45\)
つまりそれぞれの3倍の個数が72、63、45となるので、それぞれを3で割ったらいいわけです。
\(72÷3=24\)、\(63÷3=21\)、\(45÷3=15\)となり、Aが24個、Bが21個、Cが15個です。
合計60個でそれぞれの差が3個、6個となっているので問題文と合致しているのが確認できます。
和差算は他にもいくつかのパターンがありますが、どれもポイントは同じです。
- 数直線で表す
- 数直線の長さを揃える
これらをしっかり抑えればそう難しくはないでしょう。
ちなみに和差算について、自由に印刷できる練習問題を用意しました。数値はランダムで変わり無数に問題を作ることができるので、ぜひご活用ください。

よくわかりました