2次方程式にはいろんな解き方があり、問題によって使い分ける必要があります。
中学校数学で習う方法としては主に4つ。
- 因数分解
- 平方根
- 平方完成
- 解の公式
今回は平方根を用いた2次方程式の解き方を解説していきます。
平方根とは、2乗(平方)の逆の数ですね。
平方根を利用することで2次方程式を解ける場合があります。
どういう問題のときに平方根で解けるのか、どうやって解いていくのかなどをしっかり抑えましょう。
平方根を利用した2次方程式の解き方
平方根を利用して解ける2次方程式の問題は次のようなものです。
- \(x^2-25=0\)
- \(2x^2-16=0\)
- \((x+1)^2=25\)
「\(x^2\)の項」と「定数」だけからなる2次方程式、または「\(x\)の1次式の2乗」と「定数」だけからなる2次方程式です。
分かりやすく言うと、簡単に2乗が取れて、\(x\)の1次式にできる場合ですね。
実際に解いていくとわかってもらえるかと思います。
例題1) \(x^2-25=0\)
平方根を考えるために、左辺の定数を右辺に移項します。
\(x^2-25=0\)
\(x^2=25\)
この等式が成り立つ\(x\)を考えましょう。
\(x^2=25\)は、何を2乗したら25になるのか、つまり25の平方根は何かという問題です。
\(5^2=25\)
\((-5)^2=25\)
つまり、\(x=5\)または\(x=-5\)。
解は\(x=\pm5\)となります。
ちなみに、これは因数分解でも解けます。実際に前回、以下のようにして解きました。
\(x^2-25=0\)
\((x+5)(x-5)=0\)
\(x=\pm5\)
どちらの考え方で解いてもいいですが、どちらも重要なのでしっかり抑えておきましょう。
例題2)\(2x^2-16=0\)
簡単にするために両辺を2で割ります。それから左辺の定数を右辺に移項します。
\(2x^2-16=0\)
\(x^2-8=0\)
\(x^2=8\)
この等式が成り立つ\(x\)を考えましょう。
8の平方根です。
8の平方根は\(\pm\sqrt{8}=\pm2\sqrt{2}\)です。
よって解は\(x=\pm2\sqrt{2}\)となります。
例題3)\((x+1)^2=25\)
前の問題と形が異なりますが、このように「\((xの1次式)^2\)」と「定数」だけの場合でも平方根の考え方で解を求めることができます。
\((x+1)^2=25\)
\(x+1=\pm5\)
\(x+1\)が25の平方根なので、\(x+1=\pm5\)になります。
\(x+1=\pm5\)
\(x=\pm5-1\)
\(x=-6,4\)
上の式を簡単に解説すると、\(x+1\)は-5、または5です。
\(x+1=-5\)のとき、\(x=-6\)
\(x+1=5\)のとき、\(x=4\)
です。
今回のような問題が分かりにくい場合、\(x+1=X\)と置き換えれば、\(X^2=25\)というようにこれまでの形にできます。
ちなみに、練習問題も用意したので、ぜひ挑戦してみてください。
平方根で解ける2次方程式に変形することが「平方完成」
2次方程式が平方根で解けるのは、「左辺と右辺の平方根を考えたときに簡単に\(x\)の1次式になる」というような特殊な場合のみでした。
そして今回のような特殊な形に変形する方法を平方完成と言い、2次方程式の解法の一つです。
基本的に中学校で出題される2次方程式の問題は、すべて平方完成で解くことができます。