中学校数学

平方根√(ルート)の重要な計算方法まとめ

前回、平方根の意味や性質、値の求め方などを解説していきましたが、今回は平方根の計算について見ていきます。

平方根同士の四則演算や分数の表し方など、少し特別なルールやポイントがあるのです。

はじめて扱う概念なので少し戸惑うかもしれませんが、今回わかりやすく説明していくのでぜひ参考にしてください。

4つの重要な平方根の計算

中学校数学で習う平方根の重要な計算は4つあります。

平方根の重要な計算

  1. ルートの中の簡単化
    • \(\sqrt{8}=2\sqrt{2}\)
    • \(\sqrt{27}=3\sqrt{3}\)
  2. 足し算・引き算
    • \(2\sqrt{2}+3\sqrt{2}=5\sqrt{2}\)
    • \(3\sqrt{5}-2\sqrt{5}=\sqrt{5}\)
  3. 掛け算・割り算
    • \(2\sqrt{2}×4\sqrt{3}=8\sqrt{6}\)
    • \(8\sqrt{15}÷2\sqrt{3}=4\sqrt{5}\)
  4. 分母の有理化
    • \(\dfrac{3}{\sqrt{2}}=\dfrac{3\sqrt{2}}{2}\)
    • \(\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}=\dfrac{\sqrt{6}}{2}\)

それぞれ詳しく解説していきます。

1.ルートの中の簡単化

平方根には「ルートの中はできるだけ小さい自然数にする」というルールがあります。

ルートの中の数字が「自然数の2乗の因数(約数)」をもつなら、その自然数を外にだすことができるので、この性質を利用してルートの中をできるだけ小さくしましょう。

確実にこれを行うには、ルートの中の数字を素因数分解します。

素因数分解の簡単な方法&計算機自然数を素数で因数分解することを『素因数分解』と言います。 素因数分解は小学校のときに約数を調べるのに教わることもありますが、中学校で...

ルートの中を小さい自然数にすることで、ルート同士の足し算や引き算が可能になるのです。

2.平方根同士の足し算・引き算

平方根同士の足し算・引き算は、ルートの中が同じ場合はまとめることができます。ルートを文字式のように扱うことができるということです。

なぜこのようになるのかは、分配法則を考えたら分かると思います。

\(2×\sqrt{2}+3×\sqrt{2}=(2+3)×\sqrt{2}=5\sqrt{2}\)

また、\(\sqrt{2}\)や\(\sqrt{3}\)などの平方根は整数で表せませんが、定数(決まった値)です。小数にするとループせずに無限に続く数(無理数)なので\(\pi\)と同じ種類の定数ですね。

なので\(2{\pi}+3{\pi}=5{\pi}\)となるのと同じことなのです。

ルートの中が異なれば平方根は全く異なる定数となるので、分配法則でまとめたりすることができません。

しかしルートの中を簡単な形にしたら同じ整数になることがあるので、この場合は足し算・引き算できるようになります。

ルートの中の簡単化は、同じ平方根にできるかどうかを確かめるために重要な意味があるのです。

3.平方根同士の掛け算・割り算

平方根同士の掛け算や割り算は、ルートの「中の数字同士」・「外の数字同士」をそれぞれ別々に計算します。

ルートの外の数字同士をそのまま掛け算・割り算できるのは、掛け算の交換法則を考えれば分かるかと思います。

\(2\sqrt{2}×4\sqrt{3}=2×\sqrt{2}×4×\sqrt{3}=2×4×\sqrt{2}×\sqrt{3}\)

このように、掛け算の順番を入れ替えているだけです。割り算の場合も同様。

問題なのは、なぜ中の数字同士を掛け算・割り算できるのかということです。

\(\sqrt{a}×\sqrt{b}=\sqrt{ab}\)の証明

(左辺)2
\(=(\sqrt{a}×\sqrt{b})×(\sqrt{a}×\sqrt{b})\)
\(=\sqrt{a}×\sqrt{a}×\sqrt{b}×\sqrt{b}\)
\(=ab\)

(右辺)2
\(=\sqrt{ab}×\sqrt{ab}\)
\(=ab\)

(左辺)2=(右辺)2

\(\sqrt{a}\)、\(\sqrt{b}\)、\(\sqrt{ab}\)はいずれも正の数なので、左辺と右辺はとも正である。

お互い正で2乗した数が等しくなる場合、2乗する前の数も等しくなるので、(左辺)=(右辺)。

平方根同士の掛け算のコツ

平方根同士を掛け算する場合、やり方によって手間が大きく変わります。

たとえば\(\sqrt{15}×\sqrt{20}\)を考えてみましょう。
これを素直に計算すると次のようになります。

掛け算をした数字を素因数分解するのが二度手間になっているのです。大きい数字を素因数分解するのは面倒ですし、計算ミスの確率も増します。

なのではじめにそれぞれを素因数分解してしまいましょう。素因数の数が減るので計算ミスしにくいですし、わざわざ「すだれ算(はしご算)」などを用いず暗算で済む場合も多いです。

4.分母の有理化

「分数の分母に根号(ルート)があってはいけない」というルールがあります。そして分母に根号がある分数を根号がない形(自然数)に直すことを『分母の有理化』と言います。

根号が付いている数が“無理数”なのに対し、根号を外した自然数は“有理数”なので、分母の有理化というのです。

  • 有理数:分数で表せる数
  • 無理数:分数で表せない数(小数にするとループせずに無限に続く数)

たとえば\(\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}\)の場合、分母・分子に\(\sqrt{2}\)をかければ分母の根号が取れます。

分母・分子に同じ数をかけるので、分数の値自体は変わりません。

分母と同じ数を分母・分子にかければよいのですが、分母が簡単にできる場合ははじめに簡単にしてから有理化しましょう。

たとえば、\(\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{75}}\)のような分数の場合、このまま有理化しようとすると余計な手間がかかります。

ところが、はじめに分母を簡単な形にすると分母・分子にかける数が小さくなり、さらに約分の手間も省けるのです。

有理化の応用問題

では有理化について応用的な問題を解いてみましょう。

\(\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}+1}\)を有理化せよ。

分母と分子に同じ数をかけて分母の根号を取りますが、なにをかければ分母の\(\sqrt{3}+1\)の根号が取れるでしょうか。

よくある間違いが「\(\sqrt{3}\)」や「\(\sqrt{3}+1\)」を掛けてしまうことです。

\(\sqrt{3}\)をかけると\((\sqrt{3}+1)\sqrt{3}=3+\sqrt{3}\)

\(\sqrt{3}+1\)をかけると乗法公式より、

\((\sqrt{3}+1)(\sqrt{3}+1)=3+2\sqrt{3}+1=4+2\sqrt{3}\)

ともに根号が残ってしまいます。

ではどうすればいいのかというと、和と差の乗法公式を使うのです。

2つの数字に関する和と差の積は、それぞれの2乗の差になります。

ここでは「\(x=\sqrt{3}\)」「\(a=1\)」と置きかえると\((\sqrt{3}+1)(\sqrt{3}-1)=3-1=2\)となります。

つまり分母・分子に\(\sqrt{3}-1\)をかければ根号が外れるということです。

少し発展的な問題ですが、重要な考え方なので抑えておきましょう。

平方根の重要な計算まとめ

  1. 根号の中の簡単化:素因数分解をして2乗の素因数はすべて根号の外に出す
  2. 足し算・引き算:まず簡単化して根号の中の数字が同じならまとめる
  3. 掛け算・割り算:根号の中と外で別々に計算するが、中の数ははじめに素因数分解をする
  4. 分母の有理化:まず分母の根号の中を簡単化して、分母の根号が外せる数を分母分子にかける

平方根の計算についてまとめました。なにかわからないことがあればお気軽にコメントしてください。

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