中学校数学

素因数分解の簡単な方法&計算機

自然数を素数で因数分解することを『素因数分解』と言います。

素因数分解は小学校のときに約数を調べるのに教わることもありますが、中学校では平方根の計算に使います。

今回は素因数分解の意味ややり方に加え、自然数を入力したら自動で素因数分解を計算してくれる計算機を紹介するのでぜひ参考にしてください。

素因数分解とは?

素因数分解とは、自然数を素数で因数分解することを指します。ここで因数分解素数について復習しましょう。

  • 因数分解:数を複数の数の積の形で表すこと
  • 素数:1と自分以外に約数をもたない、1以外の自然数(2、3、5、7、11、13・・・)

特に素数についてはこちらに詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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さて、素因数分解の例を実際に見てみましょう。

  • \(8=2^{3}\)
  • \(10=2×5\)
  • \(12=2^{2}×3\)
  • \(18=2×3^{2}\)
  • \(36=2^{2}×3^{2}\)
  • \(42=2×3×7\)
  • \(50=2×5^{2}\)
  • \(51=3×17\)
  • \(143=11×13\)
  • \(900=2^{2}×3^{2}×5^{2}\)

このように、自然数を素数(2、3、5、7、11、13・・・)の積の形に分解ことを素因数分解と言い、それぞれの因数を素因数と言います。

素因数分解のやり方

素因数が複数ある場合、それらを数え上げる手段として使われるのが以下のやり方です。

  1. 小さい素数から、順番に割り切れなくなるまで数字を割っていく(2→3→5→7→11)
  2. 素数に分解できるまで続ける

小さい素数から順番に割っていくという方法です。「はしご算」や「すだれ算」、「連除法」などと呼ばれます。

ちなみに、素数で割り切れるかどうかは次のように判断します。

素数の倍数チェック法

  • 2の倍数:下一桁が偶数(0、2、4、6、8)
  • 3の倍数:すべての桁の数字を足すと3の倍数
    • 12→1+2=3
    • 24→2+4=6
    • 36→3+6=9
    • 111(=3×37)→1+1+1=3
  • 5の倍数:下一桁が0か5
  • 7の倍数以降:実際に割って確かめる

※7以降の倍数をチェックする方法もありますが、少し複雑で実際に割ったほうが速い場合が多いため今回は割愛します

これを踏まえて大きい数字の素因数分解の例も見てみましょう。

例)495の素因数分解

  1. 2の倍数チェック:495は下一桁が奇数なので2の倍数ではない
  2. 3の倍数チェック:495は「4+9+5=18」となり18は3の倍数
  3. 3の倍数チェック:165は「1+6+5=12」となり12は3の倍数
  4. 3の倍数チェック:55は「5+5=10」となり3の倍数ではない
  5. 5の倍数チェック:55は下一桁が5なので5の倍数
  6. 11は素数なので終了

例)1518の素因数分解

  1. 2の倍数チェック:1518は下一桁が偶数なので2の倍数
  2. 2の倍数チェック:759は下一桁が奇数なので2の倍数ではない
  3. 3の倍数チェック:759は「7+5+9=21」となり21は3の倍数
  4. 3の倍数チェック:253は「2+5+3=10」となり3の倍数ではない
  5. 5の倍数チェック:253は下一桁が3なので5の倍数ではない
  6. 7の倍数チェック:253は実際に7割ったらあまりが出て割り切れないので7の倍数ではない
  7. 11の倍数チェック:253は実際に11で割ったら23で割り切れる
  8. 23は素数なので終了

手順を丁寧に書いていますが、「2」や「5」の倍数かどうかは一瞬でわかるかと思います。

素因数分解は平方根の計算に便利

さて、素因数分解が何に役立つのかということですが、中学校数学では平方根の計算に利用します。

おさらいですが、平方根には「根号の中身はできるだけ簡単な整数の形にする」というルールがありました。

要は「根号の中の数字が整数の2乗の因数を持つなら、これを外に出す」ということです。\(\sqrt{8}\)や\(\sqrt{18}\)、\(\sqrt{48}\)などは下のように書かないとテストでは減点されます。

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整数の2乗の因数を持つということは、\(2^{2}(=4)\)、\(3^{2}(=9)\)、\(4^{2}(=16)\)、\(5^{2}(=25)\)、\(3^{2}(=36)\)・・・などを約数に持つということです。

慣れていないとパッと見では簡単には判断がつきにくいときもあるかと思います。

そういうときに素因数分解は役立つのです。

たとえば\(\sqrt{495}\)や\(\sqrt{72}\)などは下のように考えて計算します。

\(\sqrt{495}=\sqrt{3^{2}×5×11}=3\sqrt{55}\)

\(\sqrt{72}=\sqrt{2^{3}×3^{2}}=2×3×\sqrt{2}=6\sqrt{2}\)

最後に自動で素因数分解をしてくれる計算機を作ったので、紹介します。

素因数分解の計算機

入力欄に数字を入れて「素因数分解する」というボタンを押したら結果のところに素因数分解の結果が表示されます。桁数が多いと動作が重くなるので注意してください。

素因数分解計算機

素因数分解する
結果00

素因数分解について解説していきましたが、なにかわからないことがあればお気軽にコメントしてください。

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POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    上記の素因数分解の例のところの50の答え間違ってませんか?

  2. 匿名 より:

    分りやすい解説ありがとうございます。

    【素数の倍数チェック法】の

    36→3+6=12

    は =9 に訂正お願いいたします。

  3. バナナ より:

    分かりやすかったです。

  4. 太郎 より:

    大変勉強になりました。ありがとうございました。

  5. 匿名t より:

    すごく勉強になりました

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