中学校の図形の問題において、辺の比に関する問題が多く出題されます。
この問題を解くために利用するのが、「相似」や、「平行線と線分の比の定理」、そして今回解説する「角の二等分線と辺の比」などです。
問題を解く上で非常に重要になるので、しっかり抑えていきましょう。
角の二等分線と辺の比とは?
下図のように三角形ABCにおいて、∠Aの二等分線を引き、辺BCと交わる点をDとすると以下のような比が成り立ちます。
なぜこの比が成り立つのかを証明するのは少し複雑ですが、しっかり抑えておきましょう。
証明
下図のように、三角形ABCにおいて、辺BAの延長線と辺ADと平行な線を点Cから引いた線の交点をEとする。
AD//ECより、
BA:AE=BD:DC・・・①
(前回解説した「平行線と線分の比の定理」より)
また、平行線の同位角は等しいので、
∠BAD=∠BEC・・・②
平行線の錯角は等しいので、
∠DAC=∠ACE・・・③
仮定より、
∠BAD=∠DAC・・・④
②③④より、∠BEC=∠ACEとなるので、△ACEは二等辺三角形である。
よってAC=AE・・・⑤
①⑤より、
AB:AC=BD:CD
角の二等分線と辺の比の性質を利用した問題
では、この比の性質を利用した問題を実際に解いていきましょう。
問題1
次の△ABCにおいて、∠ADB=∠CDBのときADの長さを求めよ。
ゆえにADは\(2cm\)です。
CD:AD=9:6=3:2
よって、ADはACの\(\dfrac{2}{5}\)となります。
\(5\times \dfrac{2}{5}=2\)
問題2
次の△ABCにおいて、∠ADB=∠CDBのときADの長さを求めよ。
線分CDが∠ACBの二等分線になっているので、 ゆえにACは\(7cm\)です。
AC:CB=AD:BD
AC:21=6:18
AC:21=1:3
3\(\times\) AC =21
AC=7