中学校数学の2次関数における問題はいくつかパターンがありますが、その代表的なひとつに「変化の割合」に関するものがあります。
比例や1次関数でも変化の割合は習ったと思いますが、2次関数では少し考え方が異なるので注意が必要です。
今回は2次関数の変化の割合に関する問題のポイントや解き方について詳しく解説していきます。
2次関数の変化の割合とは?
復習になりますが、変化の割合とは\(x\)に対して\(y\)がどれだけ変化するかを表す値です。
「\(x\)が1増えた時の\(y\)の増加量」、具体的には「\(\dfrac{yの増加量}{xの増加量}\)」です。
1次関数の場合、変化の割合は常に一定なので、『傾き=変化の割合』でした。
たとえば傾きが2の1次関数の場合、\(x\)が1増えれば常に\(y\)は2増えます。これはどの区間でも同様です。
これに対し2次関数の場合、\(x\)の区間によって変化の割合が異なります。
たとえば\(y=2x^2\)の場合を考えましょう。
- \(x\)が\(0→1\)のときの\(y\)の増加量は\(2\)
変化の割合\(=\dfrac{2}{1}=2\) - \(x\)が\(1→2\)のときの\(y\)の増加量は\(6\)
変化の割合\(=\dfrac{6}{1}=6\) - \(x\)が\(0→2\)のときの\(y\)の増加量は\(8\)
変化の割合\(=\dfrac{8}{2}=4\)
このように、1次関数とは異なるので注意が必要です。
ただ重要なのは『変化の割合=\(\dfrac{yの増加量}{xの増加量}\)』という公式に当てはめるだけなので、そんなに難しいことではありません。
増加量をもっと分かりやすく表すと、
『変化の割合=\(\dfrac{(yの変化後)-(yの変化前)}{(xの変化後)-(xの変化前)}\)』となります。
2次関数の変化の割合の問題
では2次関数の変化の割合に関する問題を実際に解いていきましょう。
問題1
\(y=3x^2\)において、\(x\)が-1から4に増加する時の変化の割合を求めよ。
\(x=-1\)のとき、\(y=3\times (-1)^2=3\)
\(x=4\)のとき、\(y=3\times 4^2=48\)
\(x\)が\(-1→4\)のとき、\(y\)は\(3→48\)と変化し、このときの\(x\)に対する\(y\)の変化の値を求めます。
よって変化の割合は\(\dfrac{48-3}{4-(-1)}=9\)
変化の割合は9です。
問題2
\(y=ax^2\)において、\(x\)が-5から-1に増加する時の変化の割合が8のとき、aの値を求めよ。
直接\(a\)を求めることはできないので、とりあえず\(a\)を含む値を用いて変化の割合を計算しましょう。
\(x=-5\)のとき、\(y=a\times (-5)^2=25a\)
\(x=-1\)のとき、\(y=a\times (-1)^2=a\)
よって変化の割合は\(\dfrac{a-25a}{-1-(-5)}=-6a\)
問題文より、変化の割合は8なので、方程式を立てて解きます。
\(-6a=8\)
\(a=-\dfrac{4}{3}\)
答えは\(a=-\dfrac{4}{3}\)です。
問題3
\(y=2x^2\)において、\(x\)が\(p\)から\(p+4\)に増加する時の変化の割合は\(-4\)だった。このときの\(p\)の値を求めよ。
\(p\)を含む値を用いて変化の割合を計算しましょう。
\(x=p\)のとき、\(y=2\times p^2=2p^2\)
\(x=p+4\)のとき、\(y=2\times (p+4)^2=2p^2+16p+32\)
よって変化の割合は\(\dfrac{(2p^2+16p+32)-2p^2}{(p+4)-p}=\dfrac{16p+32}{4}=4p+8\)
問題文より、変化の割合は-4なので、方程式を立てて解きます。
\(4p+8=-4\)
\(4p=-12\)
\(p=-3\)
答えは\(p=-3\)です。
念の為に実際に確認してみましょう。
\(p=-3\)ということは、\(x\)が\(-3→1\)における変化の割合です。
\(x=-3\)のとき、\(y=2\times (-3)^2=18\)
\(x=1\)のとき、\(y=2\times 1^2=2\)
よって変化の割合は\(\dfrac{2-18}{1-(-3)}=\dfrac{-16}{4}=-4\)
変化の割合が問題文の通り-4であることが確認できました。