中学校数学

平方根の問題の解き方(6パターン)

これまで平方根の基本平方根の計算などを解説したので、今回は平方根の様々な問題のパターンを見ていき、どうやって解いていくのかを学びましょう。

平方根はいろいろな問題が出されるので混乱してしまうかもしれませんが、パターン自体は決まっているので慣れてしまえば簡単に解けるようになります。

ぜひ今回の内容を参考にして、それぞれのパターンのポイントを抑えていきましょう。

1.平方根の四則演算

(1)\(\sqrt{8}-\sqrt{12}+\sqrt{32}+\sqrt{27}\)

平方根の足し算・引き算はルートの中が同じものに限って、文字式のように計算することができます。まずはルートの中を簡単化しましょう。

\(\sqrt{8}-\sqrt{12}+\sqrt{32}+\sqrt{27}\)

\(=2\sqrt{2}-2\sqrt{3}+4\sqrt{2}+3\sqrt{3}\)

あとは\(\sqrt{2}\)同士、\(\sqrt{3}\)同士でまとめて計算します。

\(=(2+4)\sqrt{2}+(-2+3)\sqrt{3}\)

\(=6\sqrt{2}+\sqrt{3}\)

(2)\(\sqrt{8}÷\sqrt{12}÷\sqrt{32}×\sqrt{27}\)

平方根の掛け算・割り算はルートの中の数字同士をそのまま計算することができます。ただ、そのまま計算するのではなくはじめに素因数分解をすることで簡単な計算になります。

\(\sqrt{8}÷\sqrt{12}÷\sqrt{32}×\sqrt{27}\)

\(=\dfrac{\sqrt{8}×\sqrt{27}}{\sqrt{12}×\sqrt{32}}\)

\(=\dfrac{\sqrt{2^{3}×3^{3}}}{\sqrt{(2^{2}×3)×(2^{5})}}\)

\(=\dfrac{\sqrt{2^{3}×3^{3}}}{\sqrt{2^{7}×3}}\)

\(=\dfrac{\sqrt{3^{2}}}{\sqrt{2^{4}}}\)

\(=\dfrac{3}{4}\)

このように計算することで分母・分子の指数を足し引きするだけでよくなるのです。

平方根の問題はまずはルートの中身を素因数分解するパターンが多い

2.分母の有理化

\(\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}\)の分母を有理化せよ。

分数の分母に平方根が含まれる場合、これを自然数になおすことを『分母の有理化』と言います。

今回のように分母が単項式の場合は分母と同じ平方根をかけることで有理化することができます。

\(\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}=\dfrac{\sqrt{3}×\sqrt{2}}{\sqrt{2}×\sqrt{2}}=\dfrac{\sqrt{6}}{2}\)

分母の有理化は問題文に指示されることもありますが、指示がなくても分母の有理化はしなければいけないというのが暗黙のルールです。

たとえば\(「\sqrt{3}÷\sqrt{2}」\)という問題の場合、\(\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}\)ではなく、\(\dfrac{\sqrt{6}}{2}\)と答えなければいけません。

また、分母のルートが簡単にできるときは、はじめに簡単にしてから有理化すると計算が楽になります。

以下は\(\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{75}}\)の分母の有理化の例です。

分母・分子にかける数字が小さくなるので計算が簡単になります。

分母・分子にかける平方根はできるだけ小さい値にする

3.平方根の近似値

\(\sqrt{2}=1.41\)、\(\sqrt{3}=1.73\)として、つぎの平方根の近似値を四捨五入して小数第一位まで求めよ。

(1)\(\sqrt{200}\)
(2)\(\sqrt{0.03}\)
(3)
\(\sqrt{600}\)

このように近似値を求める問題は、「整数\(×\sqrt{2}\)」などのように変形するのがポイントです。

(1)\(\sqrt{200}\)

\(\sqrt{200}=\sqrt{2×10^{2}}=10\sqrt{2}\)

\(\sqrt{2}=1.41\)より、
\(10\sqrt{2}=14.1\)

(2)\(\sqrt{0.02}\)

\(\sqrt{0.02}=\sqrt{\dfrac{2}{10^{2}}}=\dfrac{\sqrt{2}}{10}\)

\(\sqrt{2}=1.41\)より、
\(\dfrac{\sqrt{2}}{10}=0.141≒0.1\)

(3)\(\sqrt{600}\)

\(\sqrt{600}=\sqrt{2×3×10^{2}}=10\sqrt{2}×\sqrt{3}\)

\(\sqrt{2}=1.41\)、\(\sqrt{3}=1.73\)より、

\(10\sqrt{2}×\sqrt{3}\)
\(=10×1.41×1.73=24.393≒24.4\)

(整数)×(問題文で与えられている平方根)の形に変形する

4.平方根の大小関係

\(2<\sqrt{n}<3\) にあてはまる自然数nをすべて求めよ。

自然数と平方根の大きさを比較する場合、平方根のままだと難しいのですべてを2乗してから比較するのがポイントです。

2乗したらそれぞれの値は変化しますが、大小関係は変わりません。

\(2<\sqrt{n}<3\)

⇒\(4<n<9\)

よってnにあてはまる自然数は、5、6、7、8

平方根や自然数は2乗しても大小関係は変わらない

5.平方根の多項式同士の積

(1)\((\sqrt{2}+1)(\sqrt{2}+3)\)

普通に分配法則で解くこともできますが、乗法公式を使うのが一般的です。

\((\sqrt{2}+1)(\sqrt{2}+3)\)
\(=(\sqrt{2})^{2}+(1+3)\sqrt{2}+1×3\)
\(=5+4\sqrt{2}\)

(2)\((\sqrt{2}+\sqrt{3})^{2}\)

\((\sqrt{2}+\sqrt{3})^{2}\)
\(=(\sqrt{2})^{2}+2×\sqrt{2}×\sqrt{3}+(\sqrt{3})^{2}\)
\(=5+2\sqrt{6}\)

6.平方根を整数にする

次の平方根が整数となるような自然数\(n\)の値をすべて求めよ。

(1)\(\sqrt{30-n}\)
(2)\(\sqrt{45-9n}\)

平方根が整数になるのは、ルートの中が整数の2乗になるときです。また、\(\sqrt{0}(=0)\)も整数であることに注意しましょう。

(1)\(\sqrt{30-n}\)

30より小さい整数の2乗の数は、以下の6つです。

\(0^{2}=0\)、\(1^{2}=1\)、\(2^{2}=4\)、\(3^{2}=9\)、\(4^{2}=16\)、\(5^{2}=25\)

ルートの中がそれぞれの数になるようなnを挙げれば良いので、\(n=5、14、21、26、29、30\)

(2)\(\sqrt{45-9n}\)

平方根の問題はルートの中を簡単にすることで問題が容易に解ける場合があるので、まずは平方根の変形をする癖をつけるとよいでしょう。

\(\sqrt{45-9n}=\sqrt{9(5-n)}=3\sqrt{5-n}\)

\(5-n\)が整数の2乗になるような\(n\)を挙げれば良いので、

\(5-n=0、1、4\)
\(⇒n=1、4、5\)

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