中学2年では多角形の内角や外角の性質を利用して、図形の角度を求める問題がよく出題されます。
前回は三角形の内角の和の公式について解説しましたが、今回は多角形の内角の和・外角の和の公式についてです。
公式の解説に加え、公式の証明をしていきます。図形の問題を解く上で重要な公式なので、しっかり抑えましょう。
多角形の内角の和・外角の和の公式
多角形の内角の和と外角の和の公式をまとめると以下の通り。
- N角形の内角の和:\(180°×(N-2)\)
- 多角形の外角の和:\(360°\)
内角の和は三角形の180°から、角が増えるごとに180°ずつ増えていきます。

それに対し、外角の和は角が増えても変わらず常に360°です。

内角の和・外角の和の証明
なぜN角形の内角の和が180°×(N-2)となり、外角の和は360°になるのか見ていきましょう。
内角の和について
多角形の内角の和は小学校のときに習ったと思うので復習になります。
三角形より角が多い多角形はどれも対角線を引くことで三角形に分割することができます。
多角形を分割してできる三角形の個数は、「四角形なら2個、五角形なら3個、六角形なら4個・・・」となり、N角形は(N-2)個の三角形に分割することができるのです。
そして1個の三角形につき内角の和が180°なので、180°×(N-2)がN角形の内角の和となります。

ちなみに三角形の内角の和が180°になることは前回説明しましたので、忘れている場合はこちらをご覧ください。

外角の和について
多角形の外角の和の公式の証明は以下の通り。
多角形の外角の和が360°になることの証明
N角形の1つの角における内角と外角の和は180°である。
N角形にはN個の角があるので、
(すべての内角の和)+(すべての外角の和)=180°×N・・・①
また、
(すべての内角の和)=180°×(N-2)・・・②
①②より、
(すべての外角の和)
=180°×N-180°×(N-2)
=180°×N-180°×N+360°
=360°
よって多角形の外角の和は360°である。
わかりやすくまとめるとこういうことです。

多角形の内角の和と外角の和の公式は、図形の角度を求める問題でよく使うので、しっかり抑えておきましょう。