\(3+4=7\)のように\(1\)桁同士の繰り上がりがない足し算は指で数えれば計算できるので、子どもに教えるのも苦労しないでしょう。
問題は\(8+5=13\)のように答えが繰り上がるときです。大人なら当たり前のように瞬時に計算できる足し算でも子どもにとっては難しいものです。
そこで今回、繰り上がりがある足し算を子どもに教える方法を紹介します。
足し算の繰り上がりは「さくらんぼ計算」が基本
繰り上がりの計算は以下の「さくらんぼ計算」と呼ばれる方法を使うのが一般的です。
- 前の数字と足して\(10\)になる数字で後ろの数字を分解する ・・・\(8\)に\(2\)を足すと\(10\)になるので、\(5\)を\(2\)と\(3\)で分解する
- 前の数字と分解した数字で\(10\)を作って繰り上がり、分解して残った数を足す ・・・\(8+2+3\)となるので、答えは\(13\)
さくらんぼを書いて数字を分解するのがこの計算の由来です。
最初は実際にさくらんぼを書いて繰り上がりの練習をするのがおすすめですが、慣れてきたらさくらんぼを書かなくても頭の中で同じ計算ができるようになるでしょう。
大人でも大抵の場合、頭の中で同じような計算が行われているはずです。\(1\)桁同士の足し算なら瞬時に答えが出ると思いますが、\(2\)桁同士の繰り上がりの計算をする際、無意識に数字を\(10\)にする数と残りの数で分解していると思います。
このさくらんぼ計算は\(1\)桁同士の計算だけでなく、桁数が増えた大きな数の計算でも用いる基本的な考え方なのです。
ただしこの計算を正確に行うには、頭の中で\(10\)になる数字の組み合わせを思いつかないといけません。うまく計算できない場合、\(10\)になる組み合わせを発見する練習をしましょう。
「10」になる組み合わせに慣れよう
以下の□に埋める数字を考える計算練習です。
- \(1+□=10\)
- \(2+□=10\)
- \(3+□=10\)
- \(4+□=10\)
- \(5+□=10\)
- \(6+□=10\)
- \(7+□=10\)
- \(8+□=10\)
- \(9+□=10\)
これらの答えがすぐに言えるようになれば、どのように数字を分解すれば\(10\)にできるのかが即座に分かるようになります。
さくらんぼ計算がうまくできない、時間がかかるというような子はまずこの練習を行うと良いでしょう。
ちなみに、\(1\)桁同士で繰り上がりのある計算問題集はこちらのページで印刷できます。問題をランダムに作れたり、いろいろアレンジできたりするので、ぜひご活用ください。
2桁同士の足し算の計算方法
2桁同士の足し算もさくらんぼ計算を用いて行うことができます。
- 前の数字の下一桁と足して\(10\)になる数字で後ろの数字を分解する ・・・\(7\)に\(3\)を足すと\(10\)になるので、\(54\)を\(3\)と\(51\)で分解する
- 前の数字と分解した数字で繰り上がり下一桁を\(0\)にして、分解して残った数を足す ・・・\(27+3+51\)となるので、答えは\(81\)
いずれにしても足して\(10\)になる組み合わせをすぐに見つけるのが重要になります。
さくらんぼ計算は引き算の繰り下げを行うときも使うので、しっかりマスターしておきましょう。
ちなみに、\(2\)桁同士で繰り上がりのある計算問題集はこちらのページで印刷できます。ぜひご活用ください。